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全財産を愛妻に相続させたい!
2016年09月2日

kanehiro
特定行政書士・特定社労士の兼弘哲夫です。

名古屋市在住の同級生から
「自分が死んだら妻に全ての財産を残したいのだが」という相談がありました。
以下が私からの回答です。

1.法定相続人は
死亡した人の配偶者(この場合は、妻)は必ず相続人になりますが、
妻以外では優先順位が決まっており、先順位者がいる場合は、次順位者は相続人になりません。

第1順位:夫の子供(子供が既に死亡しているときは、その子供の直系卑属(子、孫、など))
第2順位:夫の直系尊属(父母、祖父母など)、父母も祖父母もいるときは、父母。
第3順位:兄弟姉妹(その兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子(夫の甥、姪)

となっています。なお、子供、直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ2人以上いるときは、
原則として均等に分けます。

2.妻の法定相続分は
①子供がいる場合 (子供が既に死亡しているときは、孫、ひ孫など。)
妻:2分の1、子供:2分の1
②子供がいない場合
1)夫の父母(父母のいずれも先に死亡しているときは、祖父母。)がいる場合
妻:3分の2、父母:3分の1
2)子供も父母もいない場合で夫の兄弟姉妹(兄弟姉妹が先に死亡しているときは、甥、姪。)
がいる場合 妻:4分の3、夫の兄弟姉妹:4分の1
③夫の子供、父母、兄弟姉妹がいない場合 妻:全部

3.「妻に全財産を相続させる」旨の遺言書があった場合
民法では、法定相続人に最低限相続できる財産を保証しています。
これを遺留分といいます。遺留分を侵害された法定相続人が
「遺留分減殺請求権(自己の遺留分の範囲まで財産の返還を請求する権利)」を行使すると、
妻は遺留分の額の財産を返還しなければなりません。
遺留分の対象者とその割合は、以下のとおりです。

① 妻と子、孫、ひ孫等の直系卑属が相続人の場合
直系卑属:法定相続分の2分の1。(=遺産の4分の1)

② 妻と父母等の直系尊属が相続人の場合
直系尊属:法定相続分の2分の1。(=遺産の6分の1)
なお、子供、直系尊属が複数いるときは、均等に分けます。

③ 妻と兄弟姉妹の場合
兄弟姉妹には遺留分の権利はありません。したがって、兄弟姉妹の遺留分割合は0です。

④ 仮に夫が妻以外の者に全財産を相続させる旨の遺言書を作成したときの、
妻の遺留分は、法定相続分の2分の1となります。

4. 妻に全財産を相続させるには、
子供及び父母がいなくて相続人が兄弟姉妹のみの場合は遺言書でできますが、
それ以外の場合には、遺産分割協議によって妻以外の相続人の相続分を放棄してもらう方法が
考えられます。また、生前贈与を利用することも考えてみてはどうでしょう。

5. 本年6月、法制審議会の部会が「結婚して一定期間(20年又は30年)過ぎた場合、
遺産分割で配偶者の法定相続分を2分の1から3分の2に引き上げる。」、
「亡くなった夫が遺言で自宅を第三者に贈与しても、妻に住み続ける権利を与える。」旨の
中間試案を提示しています。
執筆:特定行政書士・特定社労士 兼弘 哲夫

カテゴリ:02-相続について
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